法人ってどんなものがあるのだろう?<法人の種類>

ここでは、株式会社、合同会社(LLC)、NPO法人、一般社団法人について説明します。
最後に比較表を載せましたので、参考にして下さい。

株式会社

とてもポピュラーな法人形態で、営利を目的とする企業形態の一つです。
株式の引受額を限度とする間接有限責任を負う株主だけからなる会社をいいます。つまり、会社の債権者は会社の借金を会社に請求できるだけであり、経営者に請求することはありません。
また、株式会社は、株主総会と取締役という機関が基本となる会社です。株主総会とは株主が集まって経営方針を決める機関で、取締役とは株主総会で決まった経営方針を実行する機関です。
株主兼取締役1名で株式会社は作れます。株式も非公開の会社が多くを占めます。
経営や利益の配分は出資した額の大きさに比例します。

合同会社

合同会社とは、所有と経営が一体となっている組織で、業務を執行する社員を中心とした組織です。
全社員が有限責任社員です。つまり、社員の個人の財産を会社の債務履行の為に投じる義務を負いません。
また、所有と経営の分離という原則はありません。出資した額とは無関係に業務を執行したり、利益の配分を受けるように決めることもできます。所有と経営が一体となって業務を進めることができるため、出資者の移行によって経営が左右されることはありません。

NPO法人

日本語では、特定非営利活動法人といいます。社会貢献活動を行い、団体構成員に対して、収益を分配することを目的としない点に特徴があります。
収益を目的とする事業も行うことができますが、その事業で得た利益は社会貢献活動に充てなければなりません。
活動分野は下記の20分野に限定されています。

  1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
  2. 社会教育の推進を図る活動
  3. まちづくりの推進を図る活動
  4. 観光の振興を図る活動
  5. 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
  6. 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
  7. 環境の保全を図る活動
  8. 災害救援活動
  9. 地域安全活動
  10. 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
  11. 国際協力の活動
  12. 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
  13. 子どもの健全育成を図る活動
  14. 情報化社会の発展を図る活動
  15. 科学技術の振興を図る活動
  16. 経済活動の活性化を図る活動
  17. 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
  18. 消費者の保護を図る活動
  19. 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
  20. 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動 

福祉や教育、文化、地域のまちづくり、環境、国際協力といった様々な分野での活動が期待されています。

一般社団法人

2名以上の社員が集まって作る営利を目的としない法人です。剰余金が出たときに社員に配当することはできませんが、事業に公益目的がなくてもよく収益を得る事業を行うこともできます。
公益認定法により、公益性の認定を受けたものは、公益社団法人になります。
非営利型一般社団法人と非営利型に該当しない一般社団法人の2つのタイプがあります。非営利型法人の場合は、税制面での優遇があります。
NPO法人との違いは、活動分野が限定されていないことです。

比較表

株式会社NPO法人一般社団法人合同会社
信頼性☆(準則)☆☆☆(認証)☆(準則)☆(準則)
事業目的自由主として20種類の特定非営利活動 
(収益事業も可)
自由 
(公益事業、収益事業など可)
自由
設立手続き登記のみ登記と、所轄庁の認証登記のみ登記のみ
所轄庁なし都道府県 
政令指定都市
なしなし
資本金1円以上0円0円1円以上
設立必要人数1人以上1人以上の取締役監査は任意10人以上3人以上の理事1人以上の監事2人以上1人以上の理事理事会設置の場合は3人以上の理事&1人以上の監事  1人以上
役員の任期2年~10年原則2年理事:2年以内
監事:4年以内
なし 
役員の親族制限なしありなし非営利の場合はありなし
決算の公開公告義務あり決算書類等を所轄庁に提出公告義務ありなし 
役員報酬の制限なしなしありなし
税制全所得に課税原則非課税 
住民税均等割は原則課税 
収益事業には課税
「非営利型法人」は原則非課税 
住民税均等割は原則課税 
収益事業は課税 
「営利型法人」は全所得に課税 
全所得に課税 
特徴所有と経営の分離 
配当の金額は原則として持ち株数に比例する 
上場の途がある 
「代表取締役」を名乗れる
利益を配当することはできない 
役員報酬について独自の規制がある 
儲け主義でない清廉潔白なイメージ 
お金がないイメージも 
設立時や毎年、所轄庁への提出書類が膨大で時間やコストがかかる
利益を配当することはできない 
役員報酬について独自の規制はない 
中身と関係なく利潤追求型でないイメージを持たれやすい
スモールビジネスとしての運営に最適出資者全員が間接有限責任社員 
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